ブランド価値となる「本質」を見つける

2022.10.19

/ コラム

今回は宿泊施設においての、ブランドの「本質」についてお話させていただきます。

ホテルや旅館にとってのより良いブランディングというと、お客様がより快適に過ごしていただくことや、
より洗練されたサービスを提供することを目的だと思われがちですが、必ずしもそうではないと思っています。
一見ネガティブな体験もブランドの一部となる可能性があるということです。
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Index
|1.ネガティブ要素が武器になることも
|2.本質=らしさ
|3.他の施設を無理して真似する前に

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より快適さを求めると駅近などの「立地の良さ」等が思い浮かびますが
一見ネガティブな体験はあえてその逆を武器とします。
たとえば山道を車で片道1時間かかるほどの、喧騒から離れた旅館となると
利用する側としては不便だと思う気持ちが強いでしょう。
しかし、その苦労してたどり着いた体験、そこで感じられる秘境感こそが
旅館の特別な雰囲気をグッと引き立たせ、ブランド価値になるケースもあります。
また、もっと身近で分かりやすい例で言えば、山梨県の信玄餅です。
わざわざ包装を広げて蜜を垂らし、きなこが飛ばないように混ぜて食べる。
そのひと手間こそが利用者の心に「特別な体験」として強く残るのだと
製作者は意図して作り、今では定番土産になるほどの人気に昇り詰めました。
「あんな旅館みたいにかっこよくしてください!」「あのホテルみたいに流行りを取り入れて!」 といったデザインのご依頼がよくありますが、
それがその施設に似合うか似合わないかはとても重要です。
トレンドを意識することが悪いわけではありませんが、人間のファッションと同じで
かっこいいモデルの真似をするだけだったり、流行りを取り入れただけでは、
決してオシャレになれる訳ではありません。
その人の体型や雰囲気に合って初めてオシャレに見えるものです。
つまり、本来その人が持っている「らしさ」と相まってサマになると思っています。

贅沢なおもてなしはないけれど、まるで自分の家にいるかのようなフランクで居心地のいい接客など
その宿「らしい」独自のおもてなしのスタイルを見つけて磨くことが出来ればきっと共感してくれる
ファンができるはずです。
自施設の「本質」を知り、ユーザー目線で客観的に見ることがブランディングの大事な一歩目だと
私たちは考えています。
他の施設を無理して真似する前に、本来自分たちが持っている要素をもう一回見つめ直し
価値になる可能性があるコンテンツを見つけてみてはいかがでしょうか?
その際は、私たちに是非お手伝いをさせてください。

※プライムコンセプトにも同記事を掲載しております。こちら