ブランディングにおけるデザインと実用性のバランス

2023.07.14

/ コラム

ブランディング・リブランディングの際、誰もがより良いデザインにしたいと思うでしょう。
しかしそこで必ず注意しなければならないのが「実用性を損なわないようにすること」です。
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Index
|1.ブランディングデザインで注意すべき点
|2.実用性+ビジュアル=グッドデザイン
|3.最後に
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1.ブランディングデザインで注意すべき点
一時期、大手コンビニのプライベートブランドのパッケージ一斉変更がSNSを賑わせました。

現代人の感覚に合わせてすべてがシンプルでミニマルなデザインに変更されたため
デザインセンス自体は大衆、特に若年層にとって好まれるものであったはずです。
しかしいくつかの問題を孕んでいたため、すぐに再変更される運びとなりました。
一言で言えば、求められるデザインと合致していなかったのです。
問題点は下記の4つです。

1.全てが統一されフォーマット化したパッケージ(商品の個性が消えた)
2.極力省略された写真(文字情報に頼りすぎて商品の魅力が伝わりづらい)
3.小さくまとめられた文字(遠くから識別しづらくなった)
4.ローマ字読みと一般英語が混合した商品名表記(一目で何の商品かわからない)

コンビニというシステムは、生活雑貨や洋服のショッピングと違って
時間のない現代人が迅速に商品を手に入れるために設計されており、
目的の商品を探し出すまでに時間がかかるこのデザインは大きなストレスになりました。
特に3、4はアレルギーを持つ人にとって命に関わる問題を引き起こしかねないため、
即座にパッケージのデザイン再変更が行われました。
幸いにもリデザイン後は上記の問題が解消され、好評を博しているようです。
2.実用性+ビジュアル=グッドデザイン
これらの例から

・統一感を出すのはブランディングにおいて大切だが、やりすぎると結局代わり映えしなくなる
・商品価値を最も伝えられるのは写真
・施設のコンセプトに反するデザインは利用者にとってストレス要因となりかねないため、
 慎重に検討する必要がある

ということがわかります。
そもそもデザインとはさらに利便性を高めるものであるべきで、実用性<ビジュアル
となってしまっては本末転倒なのです。

これは宿泊施設にも当てはまることで、インフォメーションをはじめとする館内サインでは
何よりもわかりやすさを重視しなくてはなりません。
もちろんターゲットに合わせてある程度統一感を保ちつつ雰囲気を作り込むことは大切ですが、
実用性が損なわれたと感じた瞬間からそのデザインは失敗しています。
特に時間のないビジネスマンが多く利用するビジネスホテルでは、
一目でわかるデザインが大前提として運用されています。

もちろん、実用性を度外視し、ビジュアルや世界観を最優先するホテルブランドの成功例も存在します。
しかし、お客様をおもてなしするという本質を常に念頭に置き、
更にビジュアルとしても心地いいものをクリエイトすること

(実用性+ビジュアル=グッドデザイン)が重要だと私たちは考えております。
3.最後に
施設の特徴にあったデザインと実用性のバランスを取ることは容易ではありませんが、
プライムブランディングデザインでは観光・宿泊業界に特化した唯一無二のデザイン力を活かして
施設様の魅力の発掘〜デザインまでお手伝いいたします。

この記事を読んで、ブランディングの実用性に少しでも重要性を感じた施設様は
是非お気軽にご相談ください。

※プライムコンセプトにも同記事を掲載しております。こちら